場面は極めて混乱した。
クインたちが先に手を出すと、山禾たちも容赦なく反撃を始めた。
山禾たちは人数は少なかったが、一人一人が腕が立ち、一人で何人もの相手を相手にしても問題なかった。
クインたちは人数が多かったが、それほど有利にはならなかった。
黎亞は夏星河を後ろに引き寄せ、敵を一人蹴り飛ばしながら、大声で注意を促した。「私について来て、私が守るから!」
彼女の言葉が終わるや否や、四、五人の敵が彼女に襲いかかってきた。
「くそっ!」黎亞は罵声を上げながら、敵に立ち向かっていった。
しかし彼女は皆の中で最も実力が劣っており、女性でもあったため、すぐに数の不利を感じ始めた。
ある男が棒を振り上げて後ろから不意打ちを仕掛けようとし、黎亞が気付いた時にはもう遅かった。
打たれそうになった瞬間、突然機関銃がその男の頭を横殴りにし、不意打ちを仕掛けようとした男は思いがけず地面に倒れた。
黎亞は驚いて振り返ると、冷たい表情の夏星河がいた。
「自分の身は自分で守れば十分よ」夏星河はそう言い残すと、また別の男を蹴り飛ばしに行った。
黎亞は今度さらに驚いた。
すぐさま彼女は嬉しそうに言った。「星河、あなたそんなに強かったの!一緒に戦いましょう、二人で!」
夏星河は彼女に微笑みかけ、すぐに息を合わせて戦い始めた。
「ハハハ...」山禾は二人を見て大笑いした。「やっぱり女傑を見つけたな。これで黎亞にも相棒ができた!」
柯瑞も隙を見て一瞥し、凛々しい二人の女性を見て、何となく微笑みを浮かべた。
「おい、今回は競争しないか?」山禾は突然柯瑞の側に来て、声を潜めて尋ねた。
柯瑞は彼を一瞥したが、何も言わず、ただより一層激しく戦い始めた。
山禾は彼の様子を見て、負けじと突っ込んでいった。
すぐに、戦況は一方的な展開となった。
灰鼠たちは人数が多くても無駄で、すぐに全員が傷だらけになった。
実力差は歴然としていたが、それでも彼らは諦めず、命知らずに戦い続けた。
「くそっ、お前ら死にたいのかよ、このクソネズミども!」山禾は罵りながら、彼らにうんざりした様子で言った。「みんな、一気に片付けるぞ。死に場所も知らないネズミどもめ!」
「死にに来たんなら、容赦はしねえぜ!」オオカミさんも険しい表情で言った。