第446章 私たちは仲間だ

それは席牧白がY国での業務を円滑に進めるために、特別に開設した口座だった。

しかも個人口座ではなく、企業口座だった。

その口座を通じて席牧白本人までは辿り着けない。

しかし、口座とパスワードを知っているのは、席牧白と夏星河だけだった。

飛行機の中で、席牧白は全てを彼女に話していた。

何か不測の事態が起きた時のために、夏星河が必要な時にお金を引き出して使えるようにと願っていたのだ。

しかも、いくらでも使えるように!

案の定、夏星河は簡単に1億ドルを引き出すことができた。

この程度の金額は席牧白にとっては大したことではないが、今の夏星河にとっては非常に重要だった。

彼女はこの資金を使って強くなる必要があり、また席牧白の居場所を探すためにも必要としていた……

お金が着金すると、支店長はすぐに積極的に夏星河の要望に応えた。

彼女が必要とする家、車、そして武器も、すぐに手に入れることができた。

20人の傭兵もすでに全員揃い、これからは彼女一人のために働くことになった。

ゴールドカードも発行され、まだたくさんの残高が残っていた。

夏星河がこれらを調達するのに使ったのは、全体の5分の1にも満たなかった。

しかし、このわずかな金額で、彼らの状況は完全に一変した。

豪華な別荘の前に立ち、目の前の家や車、そして数多くの鋭い眼差しを持つ傭兵たちを見て、山禾たちはずっと夢を見ているような感覚だった。

これは絶対に夢に違いない。

数時間前まで、彼らは何一つ持っていなかったのに。

今はどうして突然全てを手に入れることができたのだろう?

まるで乞食から王様になったような極端な変化だ!

「星河、これ全部、本当にあなたのもの?」山禾は唾を飲み込みながら夏星河に尋ねた。

オオカミさんたちも彼女をじっと見つめていた。もはや彼女をどんな目で見ればいいのか分からなくなっていた。

とにかく今の夏星河は彼らの目には、とても偉大で、眩しく、様々な光を放っているように映った。

夏星河は冷静に頷いた。「私のものよ。でも、あなたたちのものでもあるわ。車も、武器も、家も、全部あなたたちにあげるわ」

「私たちにくれるの!」黎亞は思わず叫び声を上げ、とても信じられない様子だった。

山禾たちも驚きで目を見開いた。