第447章 探索

まさか彼がこんなことを言い出すとは思わなかった。

みんな一瞬固まった!

夏星河だけは、少しも気まずそうな様子はなかった。

「私のお金が目当て?」彼女は直接聞き返した。

山禾は笑いながら激しく頷いた。「そうだよ!それに君も悪くないし、僕も悪くないし、だから……」

「正直なのね」夏星河は淡々と言った。「でも残念ながら、このお金は私のものじゃなくて、他人のものよ。機会があったら紹介してあげる。もしかしたら……あの人と結婚できるかもね」

そう言って彼女は背を向けて歩き出した。数歩進んでから振り返り、付け加えた。「そうそう、その人は男よ」

山禾:「……」

「ハハハハ……」オオカミさん、黎亞、柯瑞は、不謹慎な笑い声を上げた。

夏星河は顔を背けて歩き出したが、自分の口元の笑みも抑えきれなかった。

彼女が山禾とこんな冗談を言えたのは、もちろん彼の言葉が冗談だと分かっていたからだ。

でも、こんな冗談を席牧白が聞いたら、本気にしそうだった。

夏星河は何となく彼が本気にすると感じていた。しかも、どんな反応をするか予測できなかった。

席牧白のことを考えると、夏星河は彼の現状を心配し始めた。

飛行機事故から既に二、三日が経っており、人探しは急を要する事態となっていた。

夏星河は時間を無駄にせず、すぐに山禾たちに人探しの方法を考えるよう指示した。

山禾たちは知り合いが多く、大勢の人を動員して捜索することができる。

夏星河も手をこまねいてはいなかった。彼女はネット上で席牧白にメッセージを残した。もし生きていれば、きっと見るはずだ。

それに、彼女が彼のお金をこれだけ使えば、きっと気付くだろう。

夏星河は彼を探しながら、ここで彼が現れるのを待つつもりだった。

……

ただし、席牧白以外にも探さなければならない人物がいた。

それは山禾たちの師匠であるチャールズだ。

夏星河は黎亞たちにチャールズについて詳しく尋ねると、チャールズという人物が確かに並の人物ではないことが分かった。

彼は以前傭兵だったが、後に何らかの理由で長年投獄されていた。

出所後はずっとY国で生活していた。

彼はもう傭兵組織には加わらず、単独で活動していた。山禾たち数人の少年に出会うまでは。そして彼らを弟子として引き取った。

そして一ヶ月前、チャールズは姿を消した。