第481話 基地の位置が見つかった

彼は、彼らが失望して協力を諦めると思っていた。

しかし、この女性がこんなにも気さくだとは思わなかった。

フィリップはようやく、席牧白が彼女をこれほど重要視する理由を理解した。

彼女は確かに、とても異なる女性だった。

「分かりました。私も全力で協力させていただきます。妻を救い出せれば、これからは皆さんが私フィリップの最高の友人です！」フィリップは約束するように言った。

夏星河は口角を上げ、「そこまで誠意を見せてくれるなら、私たちも何か示さないと。パソコンを一台用意して。」

フィリップは少し驚いて、「何をするんですか？」

「全ての動画をハッキングします！」

フィリップは呆然とした。

そして何も聞かずに、急いで人を呼んで夏星河のために高性能なパソコンを用意させた。

パソコンはすぐに準備された。

フィリップたちが見守る中、夏星河はパソコンの前に座り、素早くキーボードを操作して、ネット上の百嘉麗に関する全ての動画を次々とハッキングした。

幸い動画の拡散はそれほどでもなく、たった30分で全て消去することができた。

そしてこの戦乱の國では、毎日様々なニュースが次々と発生している。

そのため、動画が突然消えても大きな反応は起きず、気にする人もほとんどいなかった。

実際、動画がネット上に残っていても、それを見る人はほとんどいなかった。

しかしフィリップにとって、動画の存在自体が傷つきであり、屈辱だった。

今や全て消去され、彼の気持ちもずっと楽になった。

「席牧白は、あなたにIV組織を見つけ出し、彼らの内部情報を全て盗み出す能力があると言っていましたが、正直、私は疑っていました。今見る限り、本当にその実力があるようですね。」フィリップの夏星河に対する口調も変わり、より敬意を込めたものになった。

山禾たちも、夏星河がここまで凄いとは思っていなかった。

おそらく、彼女は彼らの想像以上に凄いのだろう。

夏星河も断言は避け、淡々と言った。「100パーセントの自信はありませんが、90パーセントくらいはできると思います。」

「それで十分です。それだけの確率があれば必ず成功します。夏さん、これから何か必要なものがあれば何でも言ってください。全て用意させます！」フィリップは非常に豪気に言った。