たとえ彼女が高い地位にあり、身分が高貴であっても、何も変えることはできない。
あれほど強大なIV組織でさえ、破滅の運命から逃れることはできなかった。
夏星河の操作により、IV組織のすべてのシステムが麻痺した。
軍隊は容易に基地に侵入し、まるで風が枯れ葉を吹き飛ばすようにテロリスト組織を殲滅していった。
席牧白は総指揮官として、一人も逃がさない強硬な手腕を見せ、彼らに逃亡の機会を与えなかった。
降伏しない者は、その場で射殺された。
このような強力な敵の前で、基地はすぐに完全に制圧され、夏星河たちは圧倒的な勝利を収めた!
しかも、彼らはわずか半日でそれを成し遂げた。
勝利の瞬間、ほぼ全国民が歓喜に沸いた。
山禾たちは更に興奮して手足を踊らせた。
「私たちは勝った!IV組織は壊滅した、私たちは勝ったんだ!」山禾は興奮して叫び、まるで夢を見ているような気分だった。
黎亞も嬉しそうに言った。「生きているうちに、平和への希望を見ることができるとは思わなかった。」
そう、IV組織の壊滅は、平和への希望だった。
まだ多くのテロリスト組織は存在するが、彼らを壊滅させることは問題ないと信じていた。
そしてIV組織が壊滅したことで、対テロ戦争は半分の勝利を得たのだ。
これからは心を一つにすれば、Y国が平和を実現することは全く問題ないはずだ。
だからこの勝利は、全国民を喜ばせ、興奮させた……
しかし彼らは、これは全てフィリップの功績だと思い込み、皆が彼を称賛していた。
フィリップの名声は一気に高まった。
……
ネット上でフィリップに関する多くのニュースを見て、山禾は少し不満げだった。「この人たちは何も知らない。最大の功労者は星河なのに。」
「そうよ、星河がいなければ、こんなにスムーズにIV組織を壊滅できなかったはずよ。」黎亞も同意して言った。
「席さんの功績も大きいですよ。」柯瑞も公平に言った。
今回、夏星河と席牧白は確かに大きな力を発揮した。
しかし彼ら以外は誰も知らなかった。
パソコンの資料を整理していた夏星河は、それを聞いてただ淡々と言った。「私たちはこの功績を必要としていない。私たちとフィリップは互いに必要なものを得ただけよ。」
彼らが必要としていたのは、封少煌の罪証だけだった。
だから彼らは互いに助け合う関係だった。