第509章 黒幕の主が彼だと言った

彼らは人違いで殺してしまったようだ!

「これは席牧楠ではない!」誰かが驚愕して叫んだ。

「ばれたのか?早く撤退しろ!」数人が直ちに撤退しようとしたが、警備員が監視カメラで彼らを発見した。

警報が突然鳴り響いた!

瞬く間に、全ての警備員が出動した。

暗殺に来た者たちは慌てふためき、拳銃を抜いて即座に発砲した。

「バン——」銃声が夜の闇を引き裂き、表面的な静けさを破った。

席牧楠は自室で、この銃声と耳障りな警報音を聞き、重々しい表情で窓の外を見つめたが、何が起きたのかわからなかった。

しかし、間もなく具体的に何が起きたのかを知ることになった。

……

暗殺に来た者たちは、2人がその場で射殺され、残りは全員が逮捕された。

取り調べの結果、彼らが席牧楠を暗殺しに来たことが判明した。

ただし、なぜか人違いをして、間違った人を殺してしまった。

席牧楠を暗殺しようとした理由も衝撃的だった。

なんと席牧楠が彼らと取引をしたことがあり、彼らの内情を知っているため、彼が自分たちを密告することを恐れ、口封じのために殺そうとしたのだった。

しかし天の思し召しか、人違いで殺してしまっただけでなく、全滅してしまった。

これらの者たちは取り調べに耐えきれず全て白状したが、唯一明かさなかったのは、背後にいる黒幕のことだった。

誰も席牧楠暗殺を指示した人物が誰なのか言おうとしなかった。

彼らの様子を見ると、背後の黒幕を相当恐れているようだった。

ただ一点だけ確かなのは、彼らが席牧楠を暗殺しに来たこと、そしてその目的が口封じだということだった。

もちろん、席牧楠との武器取引があったという証拠も持っていた。

なぜなら、彼らは実際に軍と取引をしていたが、相手が誰なのかずっと知らなかったのだ。

今になって、それが席牧楠だと知ったのだった。

結局のところ、利用された犯罪者たちは、席牧楠が自分たちと取引をしていたと確信していた。

たとえ席牧楠ではないと疑っても、そうでないという証拠は示せなかった。

しかし、彼だと言うにも、他の証拠は示せなかった。

唯一の証拠は、彼らの黒幕が彼だと言ったということだけだった!

そして彼らは確信していた。でなければ、なぜ危険を冒して暗殺に来ただろうか。犯罪者たちは、自分たちの黒幕が彼らを陥れるはずがないと信じていた。