「どうでもいい。どうせ私がやったことじゃない。死んでも認めない」と席牧楠は冷たく言った。
だが彼自身、自分の疑いが深まったことを理解していた。
事態はますます厄介になっていた。
……
席家も、すぐにこの件を知ることとなった。
夜も更けていたが、誰も休んでおらず、みなでこの件について話し合っていた。
席牧楠がまた陥れられたことは、彼らの予想外だった。
彼が拘束されているというのに、封少煌が彼を許さないとは思いもよらなかった。
「この封少煌め、なぜ狂犬のように我々にしがみついてくるんだ?」と席江年は怒りを露わにして言った。
席おじいさんは重々しく言った。「奴は我々と対立した以上、途中で諦めることはないだろう。どうやら、我々席家を完全に潰すつもりのようだ!」
「我々も油断していた。奴の手の内にある利用できる人間がこれほど多いとは思わなかった。しかも、すべて奴の仕業だと証明できない。奴は狡猾で、その考えも恐ろしい」と席江山は沈んだ声で言った。
席おじいさんは頷いた。「その通りだ。奴は恐ろしい。目的のためなら手段を選ばないからな。今回こそ、奴の罪の証拠が見つかれば、二度と這い上がれないようにしてやらねばならない」
「しかし牧白たちが出発してからずいぶん経つ。この証拠はいつになったら見つかるんだ?牧楠は夜明けには法廷に立たなければならないのに」席江年は眉をしかめ、不安そうに言った。
席おじいさんは威厳を持って言った。「法廷に立つだけだ。即決判決が出たとしても、我々には上訴の権利がある。まだ絶望するような事態ではない。皆、気を引き締めて対応を続けるんだ」
「牧白に連絡を取ってみてはどうでしょうか?」と席江山が突然尋ねた。
席牧白が出発して以来、彼らは連絡を取っていなかった。
席牧白も同様に彼らに連絡を取っていなかった。
居場所を明かさないために、互いに連絡を避けていたのだ。
しかし今、彼は本当に席牧白たちの状況が気がかりで、進展がどうなっているのか知りたかった。
席おじいさんは首を振った。「連絡するな。この重要な時期に何か問題が起きてはならない。明日は私と江年が出廷する。お前は家に残って不測の事態に備えろ」
「はい」席江山は軽く頷いた。
席牧楠が出廷するのは軍事法廷で、部外者は傍聴できない。