第511章 世は移り、人心は変わる

2日間連続のフライトを経て、早朝、飛行機はついにT市にゆっくりと着陸した。

夏星河は現在指名手配中で、帰国は非常に面倒だった。

しかし、フィリップの助けがあり、彼らは最終的に無事に帰ってくることができた。

機内から出て、この見慣れた街を見つめると、夏星河の心は複雑な思いに包まれた。

たった1ヶ月も経っていないのに、まるで長い間離れていたような気がした。

この半月余りで起きた全てのことが、まるで夢のようだった。

でも、どうあれ、彼女と席牧白は成功したのだ！

彼らはついに封少煌の罪証を手に入れることができた。

そして彼女は出発時の誓いを果たした：彼女が戻ってくる日が、封少煌の最期の日となる！

そう考えると、夏星河はすぐに携帯を取り出してフィリップに電話をかけた。「もしもし、兄貴、私たちは到着したわ。そっちも行動を開始して。」

「分かった、すぐに処理する。幸運を祈る。」フィリップは口元を緩めて言った。

「ありがとう。」

電話を切ると、フィリップはすぐに秘書に指示を出した。「この資料をすぐにZ国大使館に届けて、この件を直ちに処理するように伝えろ。」

「はい。」秘書は書類を持って立ち去った。書類の封筒の中には、封少煌の罪証が全て入っていた。

夏星河は電話を切るとすぐに車で出発した。

まずは旧邸に戻るつもりだった。この間、席家の状況がどうなっているのか分からなかった。

IVの基地から連れ帰ってきたあの女性は、席牧白が人を手配して陸祈のもとに送っていた。

その女性の体調は非常に悪く、ずっと意識不明の状態だった。

おそらく陸祈にしか治療できないだろう。

陸祈とは確執があったものの、席牧白は彼の医術の高さを認めざるを得なかった。

だから必要な時は、やはり彼を頼らなければならない。

席家の旧邸に向かう道中、夏星河は少し不安そうだった。「今の状況はどうなっているのかしら？」

彼女がこれほど長い間不在にしていたため、席家はきっと多くの困難に直面したはずだ。

ただ、まだ間に合うことを願うばかりだった。

席牧白は彼女の手を握りしめて慰めた。「大丈夫、何も問題ない。」

しかし彼らは知らなかった。この時、席牧楠はすでに軍事法廷に送られていたことを。

……

威厳のある法廷の外は厳重な警備が敷かれていた。