だから、栄華富貴は一時の夢のようなもの。高い地位にいる人を羨む必要はない。いつ転落するかは誰にもわからないのだから。
そして、高ければ高いほど、転落は悲惨なものとなる。
そういう考えを持つ人は、多かれ少なかれ他人の不幸を喜ぶ心理がある。
席おじいさんは生涯の政治経験から、彼らの考えを見抜いていた。
「お父さん、お休みになられたほうがいいですよ。私一人で行きます」体力を心配して、席江年は静かに勧めた。
実際、おじいさんが年齢的にきついだけでなく、彼自身も疲れを感じていた。
周りの冷ややかな視線を感じるだけで、プレッシャーを感じていた。
これから法廷でどれほど辛い思いをするか、想像もつかない。
席おじいさんは彼の気持ちを理解していた。
背筋を伸ばし、威厳を持って言った。「覚えておけ。たとえ席家が没落しても、気骨だけは失ってはならん!こんな程度の困難など何でもない。若い頃は、何度も死に直面したことがある。もっと大きな困難も乗り越えてきた。これくらい何でもないわ!」