第506章 私が望むのは席家の滅亡

「まさか、お前の言うことを聞くとでも思っているのか?」席牧楠は嘲笑うように言い返した。

「つまり、死んでも白状する気はないということ?」林芸は笑みを消して冷ややかに尋ねた。

席牧楠が答える前に、封少煌が皮肉な笑みを浮かべた。

「席牧楠、俺たちはほぼ同い年だ。お前は俺より高いところからスタートしたのに、今じゃ囚人になって、飛龍部隊も俺が指揮することになる。お前、今の自分が情けないと思わないのか?だから意地を張るのはやめろ。そうでなければ、もっと惨めな負け方をすることになるぞ」

「お前らの戯言を聞くのは、俺への最大の侮辱だ」席牧楠は容赦なく罵った。

封少煌は軽く笑ったが、その目は冷たかった。

林芸も微かに笑みを浮かべ、「どうやら全く協力する気はないようね」

「よく分かったじゃないか」席牧楠は相変わらず軽蔑的な態度を崩さなかった。

「結構よ。なら、そのまま強情を張り続けなさい。もう邪魔はしないわ」林芸は優雅に立ち上がったが、次の瞬間、表情が一変し、茶碗を掴むと熱い茶を席牧楠の顔に浴びせかけた!

突然の熱い茶に、席牧楠は一瞬怯んだ。

彼は林芸を睨みつけ、必死に反撃衝動を抑えた。

茶葉を含んだ熱い茶が彼の整った顔を伝い落ち、みすぼらしい姿になってしまった……

林芸は茶碗を置くと、先ほどまでの態度を一変させ、冷たい声で言った。「まだ自分が大物だと思っているの?今のあなたに何の資格があるというの。すぐに席家もあなたと同じ運命を辿ることになるわ。覚えておきなさい!」

冷たく言い放つと、林芸は大股で部屋を出て行った。

封少煌は立ち上がって席牧楠の傍らに歩み寄り、彼の肩を軽く叩きながら冷ややかに笑って言った。「お前が法廷に立つ日に、俺の任命書が正式に下りる。お前のおかげで、こんなに早く勝利を収められた。ああそうだ、その時は法廷で傍聴させてもらうよ。幸運を祈るぜ」

得意げに言い放つと、彼も部屋を出て行った。

席牧楠は手で茶を拭い、冷たく嘲笑した。

腐れ外道め、いずれ自分の蒔いた種の報いを知ることになるだろう!

……

林芸は拘置所を出ると、直接車に乗り込んだ。

しばらくして、封少煌も車に乗ってきた。

席牧楠が全く協力的でないことに、林芸は激怒していた。