第529章 あなたの罪の証拠は私たちの手の中に

「三兄、私が面倒を起こしたわけじゃないの。協力していた封少煌が不運すぎただけよ。まさかIV組織と繋がりがあるなんて誰が想像できたでしょう?しかもIVが今このタイミングで壊滅するなんて。だから彼の証拠が見つかって、席家が復権するチャンスを得たの。そうでなければ、席家は今回絶対に立ち直れなかったはずよ」

林軒の冷ややかな目が一瞬揺れ、その感情は読み取れなかった。

「そうだな、彼は不運だった。IV組織がちょうど壊滅したとはね...」

「そうでしょう?だから私のせいじゃないの」林芸は取り入るように言った。「三兄、みんな私を責めたりしないわよね?」

林軒は彼女を一瞥し、口角を上げた。「もちろんだ」

「三兄様は優しい!」林芸は嬉しそうに笑ったが、その笑顔には自信がなかった。

自分のことが露見しませんように。さもないと大変なことになる!