夏星河が口を開こうとした瞬間、席おじいさんが彼女の言葉を遮った。
「受け取らなければいけない。すでに名義変更の手続きをさせた。家はお前の名義になる。これは必ず受け取ってもらう。断るのは認めない」
「でも……」
「受け取りなさい。これはおじいさんの気持ちだから」席牧白が優しく言った。
夏星河は、この気持ちは大きすぎるんじゃないかと言いたかった。
「星河、私からもプレゼントがあるわ」席の母も突然口を開いた。
彼女はすぐに物を持ってこさせた。やはり、彼女が贈るものも簡単なものではなかった。
なんと、価値の計り知れないエメラルドのジュエリーセットだった!
席の母は特に説明を加えた。「これはヨーロッパ王室から伝わってきたジュエリーよ。世界に一セットしかないの。私が当時3億で競り落としたのよ。とても収集価値が高いわ。これからはあなたのものよ」