第521章 唯一認める嫁

夏星河:「……」

その悟ったような表情、もっと偽物っぽくできないの?

……

この日は、封少煌にとって天国から地獄に落ちる日だったとすれば。

席家にとっては、地獄から天国へ飛び立つ日だった。

ついに封少煌の罪の証拠を見つけ、すぐに疑いが晴れることになった。

今では席牧楠も戻ってきた。

席家は喜びに満ち溢れていた。

席おばあさままでもが、とても嬉しそうだった。

席の母は特別に豪華な夕食を用意して祝い、さらに席牧白に夏成武と夏智も招くように言った。

夏智と夏成武も昼に夏星河から事の経緯を聞いて、やっと何が起きたのか分かった。

彼らはみな心配だった。この間、夏星河はあまりにも危険な生活を送っていたから。

でも今は大丈夫、すべてが上手くいった!

さらに席家が危機を乗り越えられたのも、彼女の功績が大きかった。

食卓では、席家の人々が彼女に感謝の言葉を述べていた。

席の母はグラスを掲げて夏星河に言った:「星河、以前は私が悪かったわ。私はずっとあなたが牧白に相応しくないと思っていたけど、今になってやっとあなたの素晴らしさが分かったわ。ごめんなさい、このお酒で謝らせて。」

そう言うと、席の母はグラスの酒を一気に飲み干した。

彼女の行動に皆が驚いた。

席の母は誇り高い女性で、既に夏星河への偏見はなくなっていたものの。

これが初めての正式な謝罪だった。

まさか、ここまでするとは……

そして、誇り高い目上の人に謝罪させるのは、あまりにも申し訳ない。

夏星河は即座に彼女の謝罪を受け入れた。「大丈夫です、もう過去のことです。」

そう言われて、席の母は彼女が許してくれたことを悟った。

彼女は嬉しそうに言った:「星河、これからはあなたが私の唯一認める義理の娘よ!あなたはもう席家に入りたくないかもしれないけど、私はあなたしか認めないわ、あなた以外は誰も認めない。」

夏星河は少し驚き、何とも言えない複雑な気持ちになった。

かつては、彼女だけが認められない人だった。

なのに今では、彼女だけを認めたいと……

このギャップは予想外だった。

「そうだ、これからは星河だけが私たちの義理の娘だ!」席江山も笑いながら言った。「もし牧白と結婚してくれないなら、他の誰とも結婚させないぞ。」