第620章 放縦

一緒に?

死にたいのか!

席牧白は気まずそうに咳をして、「私も入りたいだけだ。先に行って、後で入るから」と言った。

「休んでいた方がいいわ。でないとお風呂で気を失うわよ」夏星河はそう言って浴室へ向かった。

席牧白は彼女の気まずそうな様子を見て少し面白く思った。

彼女は本当に人を慰めるのが下手だが、それが可愛いと思った。

そして再び目を開けて彼女を見られることに、幸せを感じていた。

幸い、二人とも生き残れた……

さらに幸いなことに、怪我をしたのは彼で、彼女ではなかった。

そう考えると、席牧白は自然と林軒と林家のことを思い出し、その目に冷たい光が宿った。

この借りは、必ず何倍もの形で林家に返してやる!

だから林家の得意げな態度も長くは続かないだろう。

同時に、夏星河が今回彼を救うために、彼の復讐のためにこれほど尽くしてくれたことを思うと、席牧白の心は感動と喜びで満ちた。

もしかして、彼は彼女の心の中で既に深い位置を占めているのだろうか?

そうでなければ、彼の復讐のためにA市まで一人で来るはずがない。

きっとそうだ、彼女は今、彼のことをとても大切に思っているに違いない!

席牧白は考えれば考えるほど落ち着かなくなり、体を起こして浴室の方を見た。中からシャワーの音が聞こえてきて、彼の体は何故か熱くなってきた。

どうしよう、一緒に入りたい。

でも、それは無理だ。夏星河の許可なしに入ったら、きっとひどい目に遭うだろう。

席牧白はイライラしながら横になり、耐え難い思いで待つしかなかった。

……

夏星河は気持ちよく熱いお風呂に入り、そして着替える清潔な服がないことに気付いた。

幸い浴室にバスローブがあったが、バスローブを着るのは何となく艶めかしい感じがする。

でも着ないともっと艶めかしいでしょう!

夏星河は少し迷った後、結局着ることにした。ただし、しっかりと身体を隠すように着た。髪を乾かして浴室を出ると、席牧白が既に眠っているのが分かった。

彼はとても疲れているようで、深い眠りについていた。

夏星河は彼の体調が良くないことを知っていたので、休ませておこうと、静かに近寄って彼の隣に横になった。