夏星河は淡々と言った。「もう十分だ。今は林家が当選できないようにすることだけを確実にすればいい。残りのことは徐々にやっていけばいい」
「その通りだ。林家の野心は今回叶わせない!」席おじいさんは嬉しそうに言った。
林家が将来当選できなければ、彼らには恐れるものは何もない。
彼らを懲らしめる機会はいくらでもある。
今や童家と沈家、そして大統領も林家を抑え込もうとしている。
林家はすぐに四面楚歌になり、その時には必ず混乱するだろう。
一度混乱すれば、ミスを犯しやすくなり、そのミスで弱みを握られることになる。
弱みを握られる機会を与えなければ、必ず林家を二度と立ち直れないようにしてやる!
夏星河が最初に考えていた通りだ。
彼女は林家が彼らに仕掛けてくることを恐れていない。むしろ、仕掛けてこないことを恐れている。
仕掛けてくれば、反撃できるのだから。
今回も林家が先手を打ってくれたおかげで、こんな良い機会を掴むことができた。
また、今回のおかげで、林家に対抗する突破口を見つけることができた。そして今から、席家と林家の間の生死を賭けた戦いが正式に幕を開けた。
……
沈家と童家は林家の野心を発見し、当然大統領にも隠さなかった。
彼らの多方面からの調査と確認により、確かに林家の野心が見て取れた。
誰にでも野心はあるが、童嫣を利用するべきではなかった。
童嫣を利用することは、沈家と童家を利用することであり、さらには大統領を利用することでもある。
林家がこのようなことをしたのだから、彼らも黙ってはいられない!
さらに席家も林家の所業についての多くの証拠を提供し、複数の大家族はますます林家を容認できなくなった。
すぐに、彼らは団結して、様々な方法で林家を抑え込み始めた。
彼らが林家に問題を起こすのは実は簡単だった。
たちまち、林家はあらゆる所で問題を抱え、全ての事業が上手くいかなくなった。
例えば、林茜は口実を設けられて大統領府から異動させられ、もう大統領の治療ができなくなった。
林康の持つ権力も一部剥奪された。
林家のビジネスも様々な形で圧迫を受けた……
とにかく林家は今、至る所で問題が発生し、非常に苦境に立たされている。
当然、林家も馬鹿ではないので、すぐに問題の所在に気付いた。