沈おじいさまは若い頃、数々の功績を残し、多大な貢献をしてきた。
この数年も真面目に沈家の名誉を守り続けてきた。
長女までもがこの一族のために全力を尽くしている。
結果はどうだ。彼らが一生をかけて築き上げてきた努力が、童嫣のせいで完全に台無しになってしまった。
誰を好きになってもいいのに、なぜ林軒を、あの野心に満ちた林家を好きになったのか。
好きになるだけならまだしも、軽率にも自分の人生を台無しにしてしまった。
彼女は結婚しても、相変わらず高貴な童家のお嬢様で、最も尊い身分を持つお嬢様でいられると思っているのだろうか?
はっ、なんという愚かな天真爛漫さ。
林家はあれほど野心的なのに、彼女に優しくするはずがない。
たとえ林家が沈家と童家を恐れて彼女に何もできないとしても、沈おじいさまが亡くなり、大統領が交代すれば、彼女の地位は一気に落ちることになる。