第650章 同じ日に生まれた

夏星河と席牧白は突然目が合った。

席牧白は疑問に思って尋ねた。「おじいさん、これは沈家の次女とどんな関係があるんですか?」

席おじいさんは思い出したように言った。「ああ、君たちに言うのを忘れていた。当時、林家と沈家はほぼ同時期に出産があって、沈茹とこの林霜は同じ日に生まれたんだ……」

そこまで話したところで、席おじいさんの表情が変わった。

席牧白と夏星河も衝撃を受けた。

三人は顔を見合わせ、同じことを考えていた!

夏星河は勢いよく立ち上がり、目を輝かせて言った。「やはりこの沈茹は林家と何か関係があるんだ!」

席おじいさんは深刻な表情で言った。「まさか、林家がそんなことをするはずがない?」

「調べてみれば分かることです」夏星河は席牧白を見て言った。「陸祈の助けが必要だ」

「今すぐ連絡します」席牧白は立ち上がって電話をかけに行った。

夏星河も黎亞たちに指示を出した。「誰かT市に行って、ある人を連れてきてくれ」

「誰ですか?」黎亞たちは不思議そうに尋ねた。

「Y国から連れてきたあの女性だ」

黎亞はすぐに目を見開いて、興奮して言った。「分かりました!林霜の問題がどこにあるのか分かりました!彼女とあの女性は……」

夏星河は笑いながら頷いた。「そうだ、彼女たちはよく似ているんだ」

この世界には、よく似た人はたくさんいる。しかし夏星河は、こんなに偶然が重なることはないと感じていた。

あの少女はIV組織の本拠地で発見された。

だとすれば、彼女の身分は決して単純なものではないはずだ。

もしかしたら、彼女と林霜には本当に関係があるのかもしれない。もしそうなら、林家とIV組織にも関係があるということではないか?

夏星河は考えれば考えるほど深く考え込んだ。この林家には、疑わしい点が多すぎるようだ。

おそらく、今回は林家全体を壊滅させるだけでなく、多くの驚くべき秘密も暴くことができるだろう!

夏星河の直感は常に鋭く、判断力も優れていた。

彼女は既に林家を疑っており、当然ながら彼女の疑問を一つも見逃すつもりはなかった。

席牧白も彼女と同じ考えだった。

彼らはすぐに陸祈と連絡を取り、これらのことを密かに伝え、陸祈も協力を約束した。

山禾とオオカミさんはT市へあの少女を迎えに行った。