第349章 秦くんに酒を付き合ってもらう

しかし足を止め、店員に命じた。「秦くんを呼んでくれ」

「すぐに呼んできます」

店員は一瞬も怠ることはできなかった。

秦くんは酒席の付き合いや歌の付き添いの仕事は受けないのだが、蘇言深は例外だった。この2年間、秦くんは何度も蘇言深に呼ばれてフロアや個室で酒を飲んでいた。

フェイくんも、蘇言深の要求なら何でも承諾するように言っていた。

みんなは、結局はお金の問題だと考えていた。受けないということは、まだお金が足りていないということだ。

店員が慌ててバックステージに走っていき、俞晚晚は水を飲み終わって、ステージに戻ろうとしていたところを店員に止められた。「秦さん、蘇さんがお酒を飲みたいとおっしゃっています」

俞晚晚は顔を曇らせ、躊躇なく断った。「行きません」

「えっと...」