第405章 彼氏と何かしたいのに邪魔される

ボディーガードは突然携帯を彼女に差し出し、「秦さん、蘇社長がお話したいそうです」と言った。

俞晚晚は携帯を受け取り、蘇言深が口を開く前に先に言った。「蘇言深、あなたは元妻と牢屋の中の初恋のために禁欲生活を送り、私まで巻き込むの？」

冷たい声と皮肉な口調。

傍にいたボディーガードたちは息を飲み、敬服の眼差しで俞晚晚を見つめた。

蘇社長の義理の妹さんは本当に勇敢だ！！！

蘇言深は眉間にしわを寄せ、顔は鍋底のように黒くなった。「黙れ」

彼は片手を上げて眉間をさすり、深く息を吸って怒りを抑えた。

俞晚晚は態度を崩さず、「デートに行きます」

これも交渉の余地はなかった。

蘇言深は怒りを含んだ声で、「携帯を彼らに渡せ」

俞晚晚は返事をせず、直接携帯をボディーガードに返した。ボディーガードは携帯を耳に当て、何度か頷いてから電話を切った。

そしてボディーガードは再び恭しく俞晚晚に頭を下げ、「蘇社長が私たちに秦さんについて行くように言われました」

俞晚晚は予想通りだった。彼女は拒否せず、「あなたたちは後ろから車で付いてきて。でないと、私と彼氏が車の中で何かするのに不便だから」

これは...二人のボディーガードは少し気まずそうに互いを見つめ、そうするしかないようだった。

まさか同じ車で年齢制限のある光景を見るわけにはいかないだろう。

車に乗った後、ボディーガードは状況を一字一句漏らさず蘇言深に報告した。俞晚晚の「彼氏と車の中で何かする」という言葉も含めて。

蘇言深はそのメッセージを見て、理由もなく腹が立ち、携帯を投げ捨てそうになった。

彼は指で強く画面を押しながら数文字を打った。「しっかりと付いて行け、随時報告しろ」

メッセージを送った後、画面をロックした。

許昭がドアをノックして入ってきて、雰囲気がおかしいのを感じ取り、慎重に口を開いた。「蘇社長、皆さんお揃いです」

言い終わると、彼は息を止めて、試すように蘇言深の表情を観察した。

蘇言深は手を振って、「先に出ていろ」

彼は再び携帯を手に取った。

許昭は一秒も躊躇わず、急いで身を翻して出て行った。

蘇言深は翁萍に電話をかけ、俞晚晚が出かける時に何か言っていたか、香香が一緒に行ったかを尋ねた。

翁萍は答えた。「秦さんは少し用事があると言って、香香を私に任せました」