421.喬家の娘は、損をしない

彼は蕭逸という婿をずっと気に入らなかったが、娘が好きだというので、仕方なく認めていた。

この数十年、夫婦二人の生活は悪くなかったので、特に何も言わなかった。

しかし、彼は老いぼれてはいない。この娘は何もなければ遠くから帰国して滞在したりはしない。もし蕭逸が娘の怒りを買っただけなら、わざわざ遠くから戻ってくることはないはずだ。きっと蕭逸が何か許されないことをしたに違いない。

「お父さん……」

喬寵兒が何か言おうとしたが、おじいさまの威厳のある眼差しで遮られた。

「みんな入りなさい」

喬おじいさまは蕭逸親子を見て言った。

蕭穎瑩は居間にいる数人を見て、その後、おじいさまの前に行き、取り入るように腕を掴んで甘えながら揺らして言った：

「おじいちゃん、ママとパパが喧嘩したの。ママを説得してあげて、パパのことを怒らないでって。こんな年になってまで、わがままなのはよくないでしょう？」

喬栩は蕭逸が何をしたのか知っていた。本来これは叔母の家庭の問題で、彼女は関わるつもりはなかったが、この蕭穎瑩は何を言っているのだ！

彼女は自分の父親が何をしたのか知らないのか？

いいだろう、仮に彼女が知らないとしても、母親として、この年で娘からわがままだと非難されるいわれはない。

喬栩の表情が急に曇ったが、叔母が何も言わないので、結局我慢することにした。

しかし、いつも娘を甘やかしていたおじいさまは蕭穎瑩の言葉を聞いて、すぐに怒り出した。

この孫娘を見る目にも不満が浮かんだ。

「そうか？では言ってみなさい。お前の母さんはなぜお父さんと喧嘩したのか？どこがわがままなのか？」

蕭穎瑩の表情が凍りつき、同時に喬寵兒の前に立つ、困惑した表情の蕭逸に視線を向けた。

おじいさまがそう尋ねるのを聞いて、蕭逸は喬寵兒に懇願するような目を向けた。明らかにおじいさまの前で事実を話してほしくないという様子だった。

喬寵兒はさっき娘が夫に肩入れする言葉を聞いていた。何が起きたのか知っているのに、まだ母親のことをわがままだと非難する顔があるなんて！

本当に白眼狼を二人も育ててしまった。彼女の食べ物を食べ、飲み物を飲み、一人は彼女を裏切り、もう一人は裏切った人のために彼女を非難する。