「うわっ、でかいトカゲだな」蘇小橋は下の物体を見て、思わず小声で叫んだ。
韓森もその神血生物の姿を見た。全身が紫色の鱗に覆われ、体長が十メートルを超える巨大なトカゲが、巨大な紫色の翼を羽ばたかせながら、断崖下の深い谷から飛び出してきた。
神力の生物は韓森たちがいる崖に近かったが、それでも八、九十メートルほどの距離があった。
楊曼麗の号令とともに、全員が弓を引き絞り、高所から谷を飛び出そうとする神血生物に向かって矢を放った。雨のように降り注ぐ矢は、神血生物の鱗はおろか、その双翼の紫羽さえも傷つけることができなかった。
星芒の矢でさえ、紫羽に当たると火花を散らすだけで落下し、矢先は曲がってしまったが、紫羽には傷一つつかなかった。
韓森は1.2パーセントのZ鋼矢を弓にセットしていたが、放つのを躊躇っていた。手持ちの矢はこれ一本だけで、むやみに放っても無駄になるだけだった。
「こいつの羽と鱗甲が硬すぎる。目に当てない限り、普通の矢じゃ全く効かないな」蘇小橋も数本矢を放ったが、まったく効果がなかった。
蘇小橋が話している間に、神の天子は獣魂の鷹弓を召喚し、同時に狼牙のような獸魂の矢を弓にセットして、神血生物の翼めがけて力強く放った。
韓森は傍らでよく見ていたが、神の天子が今回使用した獸魂の矢は、前回の毒爆六翼蜂の矢よりもかなり劣っているように見えた。変異獣魂から作られたものか、原始獸魂から作られたものかは分からなかった。
その獸魂の矢は黒い稲妻のように空を切り裂き、紫羽を貫いて神血生物の翼に突き刺さり、神血生物は怒りの咆哮を上げた。
楊曼麗も負けじと、白い鳩のような獣魂を召喚して手の中で羽の弓に変え、さらにカジキマグロのような獣魂を召喚して青い矢に変えて弓にセットし、神血生物に向かって放った。
青い光が閃き、矢は神血生物の紫羽を貫き、鮮血が矢羽に沿って流れ出した。
神の天子と楊曼麗が使用したのは使い捨ての獣魂ではなく、矢が目標に命中した後、意識を集中すると矢は獣魂の形に戻って彼らの手元に戻ってきた。