第49章 矢の分配

一行は半月以上歩き続け、ようやく韓森が行ったことのない山脈に到着した。

この道中で韓森は「人多ければ力も大きい」という言葉の本当の意味を実感した。彼らが出会った異生物は、基本的にすべて圧倒的な力で押し潰された。韓森たち弓兵の一斉射撃はもちろん、前方の騎兵の突撃だけでも、普通の異生物群は全く太刀打ちできなかった。

もちろん、前方に偵察隊がいたおかげで、本当に強力な大群の異生物に遭遇した時は、迂回して避けることができた。

ついに目的地に到着し、韓森たち神射組の面々は崖の上に潜伏し、羅天揚たちが追い出してくる神血生物を射殺する準備を整えた。

残りの人々は崖を下り、神血生物を崖下から追い出す準備をした。

神射組のメンバー以外に、神の天子も数人を連れて下りなかった。彼らも弓矢の術に長けた者たちだった。この点について韓森は全く疑っていなかった。以前、神の天子は一矢で血まみれの屠殺者をあと少しで射殺するところだった。そのおかげで韓森は大きな幸運を手に入れたのだ。

神の天子は韓森を一瞥し、その目に冷たい光が走った。鋼甲避難所で広まっている噂では、韓森は秦萱の愛人だという。これが神の天子の不快感を煽っていた。

「神の天子様、約束の矢はどうなっていますか?」楊曼麗は神の天子の前に進み出て尋ねた。

神の天子は今回、主に神射組を借用する立場だった。普通の矢では神血生物にダメージを与えられない。少なくともZ鋼含有率1パーセントの矢でなければ、神血生物の急所を傷つける可能性すらない。しかし、Z鋼含有率1パーセントの矢は誰もが買えるものではない。そのため、今回の神射組の矢は、神の天子が提供することで合意していた。

神の天子は微笑みながら手を振ると、その部下たちはすぐに馬の後ろの箱を降ろし、蓋を開けた。中には星芒の矢が満載されていた。これらは1本100万もする矢で、星宇グループ製の名品であり、Z鋼含有率1パーセントのものだった。

「楊組長、ここに約束通り100本の星芒の矢がある。射術の優れた者を何人か選んで分配してくれ」と神の天子は笑みを浮かべて言った。

楊曼麗は遠慮なく、すぐに神射組の中から人選を始めた。楊曼麗自身の矢は星芒の矢に劣らず、劉宏濤も良い矢を持っている。この矢について、楊曼麗は5人を選ぶつもりだった。