第71章 蜂の巣を破壊する

群れをなす黒針蜂が蜂の巣を出入りし、その数はおそらく1万匹を下らない。韓森と呂偉南はその光景に背筋が凍るのを感じた。

「兄貴、まさかこの毒蜂を殺すつもりじゃないですよね?見たところ、これらは全て原始生物のようで、しかもこんなに数が多い。飛行能力もあるし、俺たち無事に逃げられないと思います」呂偉南は唾を飲み込みながら言った。

韓森は天を突く古木と地面一面に咲く花々を見て、心の中で喜んだ。「あの先輩は嘘をついていなかった。確かにこんな場所があるんだ」

しばらく見ていた後、韓森は呂偉南に言った。「もう少し先に進もう」

呂偉南は仕方なく韓森についていった。二人は蜂の巣に近づく勇気はなく、ただ高く空中に飛び上がり、遠くからこの花の海を眺めた。それは数十里にも及び、所々に天を突く古木があり、ほぼ全ての古木に巨大な蜂の巣があった。この地域には数え切れないほどの黒針蜂がいて、まさに恐ろしいほどの数だった。

しばらくすると、韓森は普通の古木よりもさらに2倍以上も高い巨木を見つけた。その巨木の上にある蜂の巣は古城のようで、鳩ほどの大きさの血のように赤い黒針蜂が出入りしているようだった。

呂偉南は目を見開いて、唾を飲み込みながら言った。「あの血色の毒蜂、全部変異生物じゃないですよね!一体どれだけいるんだ?」

韓森も少し呆然としていた。あの先輩は当時一匹しか見なかったと言っていたが、韓森はそれ以上いるだろうと判断していたものの、まさか一巣全てが変異黒針蜂だとは思っていなかった。

「今度こそ大丈夫だ。これほど多くの変異黒針蜂がいれば、何としても一匹の獸魂は手に入るはずだ」韓森は心の中で興奮していたが、これほど多くの変異黒針蜂を相手にするのは本当に厄介だった。

変異黒針蜂の背中の針は血を滴らせているかのように鮮紅色で、その針は少なくとも5センチはあり、見るからに鋭く恐ろしかった。もし刺されたら、誰もその猛毒に耐えられないだろう。

結局のところ変異生物だ。韓森も神の血の鎧で無理に耐えようとは思わなかった。もし耐えられなかったら命取りになる。

唯一幸いだったのは、この変異蜂の巣の周囲1000メートル以内には普通の蜂の巣がなく、普通の黒針蜂はこの地域にあまり近づこうとしないことだった。