楊曼麗は韓森を連れて、新幹線の車両のような、全長約五十メートルの密閉式装置の前に来ると、装置を起動してデータを調整し、上着を脱いで黒い専用トレーニングウェアを露わにした。
どんな素材で作られているのか分からないトレーニングウェアは、ほぼ全身にフィットしており、韓森はここで初めて、楊曼麗のスタイルが非常に良いことに気付いた。特に玉のような脚は長くまっすぐで、思わず触りたくなるような丸みを帯びていた。
「よく見ておきなさい。一度だけ見本を見せるわ。今日から毎日、これを一回こなすこと。終わるまでどこにも行かせないわよ」楊曼麗はそう言って密閉式装置の中に入っていった。
楊曼麗が入るや否や、周りで訓練していた兵士たちが集まってきて、中のホログラム映像を見ながら涎を垂らしていた。
「楊隊長のスタイルはますます良くなってるな。あの長い脚なら三年遊んでも飽きないぜ」
「三年どころか、三十年でも遊べるな」
「あの尻を見てみろよ、たまんねえ」
この獣どもは、ホログラム映像を食い入るように見つめ、目が飛び出しそうになっていた。
中の楊曼麗はすでに開始しており、五十メートルの装置内には様々なトレーニング項目があり、楊曼麗は一つ一つをこなしていった。それほど労力を要さないように見え、強度も高くないようで、簡単にできそうに見えた。
「兄貴、これは何の装置なんですか?そんなに難しくなさそうですけど?」韓森は疑問に思い、隣の兵士に尋ねた。
「難しくない?坊主、お前は甘すぎるぜ。楊隊長が楽そうにやってるのは、彼女の身体素質が優れてるからだ。お前がやったら、二、三項目でへばっちまうだろうよ」
「これは重力計っていうんだ。星際レベルの飛行機や戰艦に装備されてて、艦内の重力を調整できる。今の楊隊長の設定したデータだと、総合素質が10ポイント以下の身体なら、中で数歩歩くだけで息が上がっちまう。一晩で七発やるより疲れるぜ」
「坊主、お前は楽しみだな。頑張れよ」
この獣どもは韓森のことをよく知っていた。秦萱が韓森を格闘室に呼んで痛めつけることは、転送所の兵士たちの間で知らない者はいなかった。
楊曼麗が重力計から出てきそうになると、獣どもは一斉に散っていき、何事もなかったかのように、それぞれ元の訓練に戻った。