第116章 名門校に入学9(4投稿目)

「先輩、これで僕の勝ちですよね?」韓森は笑みを浮かべながら紀嫣然に近づいた。軍事学校に入学したばかりでこんな美しい先輩の彼女ができるなんて、かなり面目が立つことだった。

「あなたはチートツールを使ったわ、カウントしないわ」紀嫣然は憤慨して言った。

「チートツール?」韓森は一瞬戸惑った。

「まだ知らないふりをするの?私の得点を100%ブロックするなんて、こんな嘘くさいの誰が見てもわかるわよ。チートツールじゃなきゃこんなレベルにはならないわ」紀嫣然は口をとがらせて言った。その様子は「あなたの卑劣さはとっくに見抜いているのよ」と言っているようだった。

「僕は本当にチートツールなんて知らないよ」韓森は両手を広げて言った。

「ふん、知らないふりを続けてみなさいよ」紀嫣然は韓森が確実にチートツールを使ったと確信していた。

「信じられないなら、もう一度対戦しようよ」韓森は言った。

「チートツールを持っているあなたと何回やっても同じよ」紀嫣然は軽蔑したように口をとがらせた。

韓森は苦笑いしながら言った。「僕の通信機はここにあるよ。自分で確認してみて、チートツールがあるかどうか」

「私にはそんなの分からないわ。チートツールがどこに隠されているかなんて誰が知るの」紀嫣然は韓森がチートツールを使ったと確信していた。彼女のこの考えにも理由がないわけではなかった。韓森の能力は確かにチートツールを使っているように見えた。

彼の予測能力と反応速度は驚異的で、この点では伊東木でさえ彼に及ばず、まして紀嫣然なら尚更だった。

韓森は自分が六月の雪のような冤罪を受けているように感じたが、どう説明しても紀嫣然はチートツールを使っていないと信じようとしなかった。

「じゃあ、どうすれば僕がチートツールを使っていないと信じてもらえるの?」韓森は諦めたように両手を広げた。

「簡単よ。学校に着いたら、学校の専門機器で再度対戦しましょう。そこであなたがまだ私に勝てたら、チートツールを使っていなかったことにして、先ほどの約束も有効にするわ」紀嫣然は確信を持って言った。彼女は韓森がチートツールを使ったと確信しており、学校の専門機器ではチートツールが使えないから、すぐにばれるはずだと思っていた。