「話せ」楊曼麗はもう、運の良さに嫉妬を覚えるほどの韓森とは話したくなかった。
他の軍人なら帝鋼の代弁者になれると聞いたら、条件どころか、一銭ももらえなくても喜んで引き受ける者が軍の中には大勢いただろう。それに、帝鋼は今回、韓森の特殊な立場を考慮して、かなり好条件を提示していた。
このような条件なら、今をときめく未進化者のスター、唐真流のような人物を起用するのにも十分だった。それなのに、ほとんど無名の軍校生である彼に代弁を依頼したのに、まだ条件を出すとは。
「私の戦甲は帝鋼の実験室から出たものです。帝鋼に武器システムを装備してもらい、この戦甲も帝鋼の生涯無料アフターサービスを受けられるようにしてほしいんです」韓森も知っていた。彼の銀色殺機は実験機とはいえ、軍の基準で作られた本物だった。
一方、帝鋼が発売する一般向けモデルは、性能が大幅に制限され、彼の銀色殺機には遠く及ばないだろう。
今、韓森が銀色殺機に不満を感じているのは、武器システムがないことだけだった。外付けの武器を使うのは結局不便で、どこへ行くにも様々な武器を持ち歩くわけにもいかない。
さらに、銀色殺機が万が一損傷した場合、一般の修理店ではこのようなスーパー生物装甲は修理できないため、帝鋼のサービスが必要だった。
「他に条件は?」楊曼麗はもう麻痺したように機械的に尋ねた。
「今のところありません。とりあえずこれで」韓森は笑いながら答えた。
楊曼麗は立ち上がって言った。「あなたの要求を上に提出します。上層部が帝鋼側と交渉することになります。帰って連絡を待っていてください。この数日は軍校内にいて、連絡が取れるようにしておいてください」
言い終わると、楊曼麗はすぐに立ち去った。彼女はもう、この運の良すぎる韓森と一秒でも長く一緒にいたくなかった。
「これで本当に大金持ちだ。毎年何もせずに2000万の代弁料が入るし、最新型の戦甲も使えるし、もし帝鋼が銀色殺機に武器システムを追加して無料サービスを提供してくれたら完璧だ」楊曼麗が去った後、韓森は興奮して拳を握りしめた。
このような天から降ってきた幸運を、韓森には断る理由が思いつかなかった。
韓森は上機嫌で学校に戻ったが、紀嫣然が今にも暴走しそうになっていることは知る由もなかった。