第186章 1矢で飛天

これほど多くの黒羽獣がいて、たとえ一匹ずつ並んで殺させたとしても、おそらく手が疲れ切ってしまうだろう。まして、その中にはあれほど多くの変異黒羽獣と、虎視眈々と狙う神血黒羽獣王がいるのだから。

  今や彼らの前には黒羽獣の死体が山積みになり、彼らの行動範囲を大きく制限していた。このままでは、神血黒羽獣王が手を下す前に、彼らはバラバラにされてしまうかもしれない。

  皇甫瓶晴が絶望しかけたその時、突然目の前で金光が一閃し、金色の巨大な物体が彼女の前に現れた。それは紛れもなく、あの黃金砂蟲王だった。

  黃金砂蟲王は韓森に召喚されると、すぐに黒羽獣の死体の中に潜り込んで大口を開けて貪り食い始めた。すでにサイほどの大きさになった体で、韓森たちの前にあった黒羽獣の死体を強引に押しのけていった。

  群れをなす黒羽獣が黃金砂蟲王に襲いかかったが、黃金砂蟲王は今はまだ戦闘能力がないものの、外殻はすでに非常に硬くなっており、それらの黒羽獣の爪や牙では全く傷つけることができなかった。黃金砂蟲王も彼らを気にせず、ただひたすら死んだ黒羽獣の死体を貪り食っていた。

  黃金砂蟲王の助けを得て、韓森たちはついに動ける空間ができ、攻撃も自由になった。韓森の手にある斬馬刀は隙間なく舞い、襲いかかってくる黒羽獣はすべて斬り殺され、まさに一夫当関万夫莫開の勢いだった。

  「原始黒羽獣を狩り、原始黒羽獣の獸魂を獲得。その血肉を食べることで0から10ポイントの原始遺伝子を得ることができる。」

  韓森はあれほど多くの黒羽獣を殺し、ようやく一匹の原始黒羽獣の獸魂を手に入れた。

  韓森が猛烈に殺戮する一方で、傍らの皇甫瓶晴も負けず劣らず殺していた。彼女の一対の短劍は飛び交い、その殺傷力は韓森に劣らなかった。彼女の新古武術の動きは変幻自在で、韓森を驚かせるほどだった。

  しかし、黒羽獣はあまりにも多すぎた。黒い影が空を覆い尽くし、しばらく殺し続けても減る気配はなく、むしろ増えていくようだった。