文秀秀はインタビューの後、黒鷹軍事学校には勝つ見込みがないと改めて感じた。チームの実力が弱いだけでなく、インタビューの際に歐陽小傘に会うこともできなかった。
「もういいや、聖徳軍校の情報をもっと見てみよう。生放送の時には、聖徳側の状況をたくさん話すことにしよう」文秀秀は学校が用意してくれた宿舎に戻り、適当にニュース記事を書いて済ませると、天網で聖徳の現在の状況を調べ始めた。
彼女自身、黒白拳という種目が好きで黒白拳番組を作りたいと思ったのだから、黒白拳の試合には当然詳しく、現在の軍校内の多くの校内チームについてもよく研究していた。
天網ですぐに聖徳軍校の情報を見つけ、聖徳軍校の公式コミュニティでも、聖徳軍校のメンバーの対戦映像をたくさん見ることができた。
聖徳軍校のファンたちは、初戦で黒鷹軍事学校と対戦することをとても喜んでおり、適当に戦うだけで幸先の良いスタートを切れると考えていた。
実際、ほぼそのとおりだった。聖徳軍校の5人の正選手のうち、4人が黒白拳リーグの個人ランキングで20位以内に入っており、納蘭承諾に至っては2位という高順位だった。
一方、黒鷹軍事学校を見てみると、歐陽小傘以外には100位以内に入れる選手が1人しかおらず、残りの3人はランキングにも入っていなかった。両者を比較すると、どう見ても黒鷹軍事学校が勝つ可能性はなかった。
歐陽小傘が当初、試合に時間を無駄にしたくなかったのも、実は勝つ可能性がないことを知っていたからこそ、必ず負ける試合に時間を無駄にしたくなかったのだ。
文秀秀は聖徳軍校の情報を見れば見るほど、今回の試合には全く見どころがないと感じた。方明全がこのような試合の生放送を彼女にさせる意味が全く分からず、驚きがどこにあるのかも見出せなかった。
文秀秀から見れば、これは方明全が彼女をいい加減に扱っているだけだった。今や彼女は決心を固めていた。試合の生放送の際には、聖徳軍校を重点的に紹介することにしたのだ。
韓森と石さん、呂蒙は第七倉庫で戰甲の操作練習をしていた。もうすぐ試合日だったので、韓森の怪我はほぼ治っていたが、シェルターには行っていなかった。
「おい、三番目。萌萌たちをずっと見かけないけど、どうしたんだ?」3人が横に座って休憩しながら、気ままに雑談していた。