第230章 砂谷での斬首

砂谷に着いてから、韓森はようやく皇甫瓶晴の周りにいる強者たちが、なぜあの神血生物を狩れなかったのかを理解した。

砂谷が砂谷と呼ばれる理由は、谷中が至る所に流砂の穴があり、翼がなければ、そこに入るのは死を意味するからだった。

しかし、普通の翼では神血レベル生物との戦闘において速度が遅すぎ、特にこのような単独の神血生物に対しては、変異の羽の速度でさえも鈍重に見えてしまう。

そのため、神血翼を持つ者だけが、その神血生物の狩りに参加できる可能性があった。

その神血生物は、身長二メートル以上で、遠くから見ると全身が烏金のように金属光沢を放つ黒石で構成されており、まるで烏金化した巨人のようだった。

さらに恐ろしいことに、手には黒い金属の大槌を持っており、その槌頭はガソリンドラムのように大きく、柄は二メートル以上あり、振り回すと五、六メートルの範囲内に当たれば即死、かすっても重傷という恐ろしいものだった。

皇甫瓶晴は微笑みながら韓森に言った：「韓後輩、この神血生物は倒せそう？」

韓森は皇甫瓶晴を見て笑いながら言った：「皇甫先輩、ここに連れてきたのは、ただ見せるだけじゃないでしょう？」

「神血獣魂の矢は貸してあげられるけど、獣魂を手に入れたら、半分は姉さんのものよ」と皇甫瓶晴は言った。

彼女が韓森を連れてきたのは、まさにこのつもりだった。韓森は射程の長い神血の弓を持っており、彼女の神血の矢と組み合わせれば、砂谷の外から直接その神血生物を射ることができる。

射殺できればそれに越したことはないが、できなくても神血生物にダメージを与え、怒らせて追い出すことができれば、その時は一緒に狩ることができる。

皇甫瓶晴はその神血生物に傷つけられる心配はなかった。彼女は神血翼を身につけており、敵わなければ空に逃げればいいだけで、危険とは言えなかった。

「その要求は少し高すぎるんじゃないか」と韓森は皇甫瓶晴を見て言った。

「私の神血獣魂の矢がなければ、普通の矢ではそいつを傷つけることも、怒らせて外に引き出すこともできないわ。半分というのは妥当だと思うけど」と皇甫瓶晴は確信を持って言った。

彼女の神血獣魂の矢がなければ、韓森がその神血生物を倒せるとは思えなかった。