第181章 戦甲の新時代

「麗麗、早く来て!帝鋼銀殺TSの発売記念配信がもうすぐ始まるわ。これ以上遅れたら間に合わないわよ」放課後、紀嫣然は曲麗麗の手を引いて、キャンパス内を急いで走り抜けた。

寮に駆け込むと、曲麗麗がまだ息を切らしている横で、紀嫣然はすでにホログラフィックマシンを起動し、始まったばかりの銀殺TSの配信に目を凝らしながら、嬉しそうに言った。「よかった、間に合った」

「もうダメだわ、嫣然。あなた本当にダメになっちゃった。昔の、男子たちを魅了しながらも冷静でいられた校花の紀嫣然はどこへ行ったの?あの神様に完全に参っちゃってるわね。いつか食べられちゃうわよ」曲麗麗は紀嫣然の様子を見て、信じられない様子で言った。

紀嫣然は顔を赤らめた。「誰が彼を見てるって言うの?私は銀殺TSの発売を見てるのよ。これは画期的な製品なんだから」

「はいはい、発売イベントじゃなくて、なぜか選手の方ばかり見てるけどね?」曲麗麗は意味ありげな笑みを浮かべながら言った。

紀嫣然は言い訳を続けた。「だって彼が約束してくれたの。優勝したら、使用した優勝機の銀殺TSを私にくれるって。だから見てるだけよ。そうじゃなきゃ誰が彼なんか見るものですか」

「嘘おっしゃい。あなたの家には輝かしい戦績を持つ戦甲がたくさんあるじゃない。黒鹿星の戦役で使われた英雄戦甲まで所有してるのに、そんな優勝機なんかより何百倍も価値のある戦甲ばかりじゃない。そんな戦甲が欲しいわけないでしょ?」曲麗麗は軽蔑したように口を尖らせた。

「そうよ、彼のことが気になるの!文句あるの?あなたも誰か見つけたらいいじゃない!」紀嫣然は開き直ったような表情で、曲麗麗に手を伸ばした。

「本当にダメだわ、紀嫣然。完全にダメになっちゃった」曲麗麗は驚いた様子で紀嫣然を見つめた。かつての清らかで女神のような紀嫣然は、すっかり恋に溺れた恥知らずな女の子に変わってしまっていた。

発売会場では、多くのメディアと発表を待つ人々が帝苑を水も漏らさぬほど取り囲んでいた。来場者は劉長鳴の予想を上回っていた。

天網上では帝鋼を批判する声が飛び交っていたものの、銀殺TSの魅力があまりにも強く、真偽を確かめようと多くの人々が集まっていた。

劉長鳴が演台に上がった瞬間、各メディアは競って撮影を始め、質問しようとする記者たちもいたが、警備員に阻止された。