第232章 闇夜の白鳥の森

韓森は学校に戻ると、ホログラム設備のホールに行き、直接秦萱が指定した仮想コミュニティにログインした。

  秦萱が彼らにシェルターの訓練場で競わせなかったのは、試合の結果を小分隊と鋼甲團の他のメンバーに知られたくなかったからだ。

  誰が勝っても負けても、彼らの威信に打撃を与えることになり、これは秦萱が望むものではなかった。結局のところ、鋼甲團も小分隊も、彼女が苦労して一から築き上げたものであり、韓森と楊曼麗の指導の下で継続していく必要があった。

  韓森は「射手座」という対戦プラットフォームにログインした。これは天網の仮想アーチェリーコミュニティで、韓森は自分のアカウントでログインすると、直接未進化者エリアに割り当てられた。

  秦萱と楊曼麗はすでにこのエリア内にいて、韓森は急いで秦萱から教えられたIDを使って彼女たち二人を友達に追加した。

  友達追加後すぐに、秦萱は韓森を仮想訓練ホールに招待した。

  「これは射手座の代表的な訓練ホールの一つ、闇夜の白鳥の森です。入ると森の通路があり、全長2000メートルです。この森の通路を通過する際、両側の木に黒と白の鳥が現れます。白い鳥は撃ってはいけません。黒い鳥だけを撃ち落とすことができます。白い鳥を撃つと即座に失格となり、勝敗は黒い鳥を撃ち落とした数で決まります。同数の場合は、森の通路を通過するのにかかった時間で決まり、短い方が勝ちです。何か質問はありますか?」秦萱は説明を終えると二人を見た。

  「問題ありません」楊曼麗と韓森は同時に答えた。

  「よし、それぞれ闇夜の白鳥の森のテストを開始してください」秦萱は直接言った。

  韓森と楊曼麗はそれぞれ闇夜の白鳥の森のテストを開始し、各自闇夜の白鳥の森に入った。

  秦萱は韓森と楊曼麗の対決結果を人に知られたくなかったが、天意は計り難く、彼らが射手座対戦プラットフォームに入ったところを、偶然にも知り合いに見られてしまった。

  蘇小橋はよく射手座対戦プラットフォームを利用しており、ここの常連と言えるほどだった。普段は冗談を言って笑っているような様子だが、密かに努力を重ねていたのだ。

  射手座対戦プラットフォームは、単純な弓術練習よりもずっと面白いので、蘇小橋はよくここで練習していた。