「お前の同意?」
森川辰は冷ややかに言った。「栗原愛南、これは森川グループの人事異動です。個人的な意思と関係ありません。」
「では南條博士の意見は?」
栗原愛南の声は淡々としていたが、表情には皮肉が混じっていた。
森川辰は一瞬戸惑った。「南條博士の意見がお前と何の関係がありますか?」
もしかして…彼女は南條博士を知っているのか?
栗原愛南の唇の端の笑みはますます冷たくなった。「私は…」
「南條博士」という言葉がまだ口から出る前に、張本健が突然一歩前に出て、彼女の前に立ちはだかった。
「江口さんに賛成します!」
栗原愛南の瞳が急に広がり、驚いて張本健を見つめた。
他の同僚もみんな笑い出し、こう言った。
「うん!みんなも江口さんに賛成します!」