第222章 栗原叔父さんが花を贈る

愛南はすぐに少し戸惑った。

  隣にいた森川北翔はすでに足早に歩み寄ってきて、さりげなく彼女のカードを覗き込もうとしながら、口では「君に愛の証を贈った人からの花?」と言っていた。

  愛南は可笑しくなって、カードを彼に渡した。

  栗原叔父さんの名前を見た森川北翔は咳払いをして、皮肉っぽく言った。「長輩が何でバラを贈るんだ!」

  愛南は静かにため息をついた。

  女の子をなだめるために花を贈るのは、誰もが使う手段なのか?

  でも彼女は本当に栗原叔父さんに腹を立てていなかった。結局のところ、あの時栗原叔父さんは南條静佳を守るためにそうしたのだから……

  ただ、南條静佳と栗原叔父さんが会わないのに、自分が栗原叔父さんに会いに行って話をするのは、母親を不快にさせるだろうと思った。