栗原愛南は彼をからかった。「愛の証よ」
森川北翔はすぐに固まり、目が緊張し始めた。「誰からもらったんだ?」
「少なくともあなたじゃないわ」
栗原愛南は眉を上げた。
森川北翔の瞳が深くなった。「俺からじゃないなら、捨てていいんじゃないか」
「それはダメよ」栗原愛南は前を見た。「将来、彼に返すつもりなの〜高価そうだし!」
「ふん、大したものじゃないだろう」
栗原愛南は尋ねた。「見せようか?」
「見ない」森川北翔は強情だったが、視線は彼女の首元をチラッと見た。
栗原愛南は「ちっ」と舌打ちした。
「なんだ?」
「なんだか酢の匂いがするわ」
二人は言い合いながら、すぐに森川家に着いた。
二人は森川麻理亜に正房の方に住むよう追いやられたが、まず森川おばあ様を見舞った。
森川北翔の不機嫌そうな顔を見て、森川麻理亜は威張る勇気がなくなり、二人を部屋に入れた。