栗原愛南は張本朔の後ろについて外に出ると、そこが小さな別荘だと気づいた。
別荘の前には、70〜80万円ほどの7人乗りの商用車が停まっていた。
家には運転手がいないので、張本朔は雪音を後部座席に投げ入れると、運転席に座った。
このことから、南條家は中流家庭で、安定した収入はあるものの多くはなく、やや裕福な生活を送っていると判断できる。
しかし、お金持ちの家庭ではない。
彼女が心の中でじっくり考えていると、張本朔のお母さんも後からついてきて、荷物を後ろに投げ入れ、助手席に座った。
張本朔はいらだたしげに彼女を見て言った。「早く乗れよ!」
栗原愛南は目を伏せ、静かに後部座席に乗り込み、ひどく怯えて全身を震わせている雪音を抱きしめた。
彼女は荷物の中からきれいなズボンを取り出し、雪音に履かせ、おむつをつけてから隣の安全シートに座らせた。