第268章 栗原叔父さんに助けを求める

  この紙切れを見た栗原愛南の瞳孔が一瞬縮んだ!

  栗原文彰が犯人……?

  彼女は幼い頃から栗原家で育ち、南條静佳が実は才能のある人だということを知っていた。ただ、その能力を発揮せず、何かから逃げているようだった。

  そして栗原文彰という父親は……彼女にとって見知らぬ人だった。

  彼にそこまでの能力があり、自分と南條歌奈を痕跡も残さずに誘拐できるのだろうか?

  彼女はこの紙切れの真実性を疑わなかった。ただ、彼女が戻ってきてから、竹歳明が彼女の事件後のすべての調査結果を報告してくれた。

  さらに、森川家は海浜市第一の名家であり、森川北翔はこの間ずっと犯人の手がかりを調査していたが、結果は全く手がかりがなかった。

  これほど隠密にできるということは……栗原文彰が実力を隠していたか、それとも誰かが手伝っているかのどちらかだ!