第408話

張本朔も栗原愛南を見つめていた。

長い間仕事が見つからない彼は、最近毎日酒を飲んでタバコを吸い、すっかり憔悴しきっていた。

愛南が会社を立て直し、栗原家や紀田家とも取引を始めたことを知ってから、何度も愛南と復縁しようと試みていた。

しかし、張本朔のお母さんと同様に、門番に阻まれてしまった。

何度か夜にこっそりマンションに忍び込んだが、愛南の家に近づくと突然誰かに殴られて気を失い、外に放り出されていた。

幸い今は雪が降っていないが、そうでなければ外で凍え死んでいたかもしれない。

それ以来、愛南は何か大物と繋がりができたのだと悟り、もう会えないことを理解した。

数日前、誰かが彼を訪ねてきて、愛南は実は栗原家の私生児だと告げた！

その身分を知って、彼は本当に驚愕した！

まさか！

彼女は確かに孤児で、南條家に引き取られたはずなのに、どうしてこんな凄い背景があるのだろう！

しかし相手は住所を教え、今日ここに来て自分の目で確かめるように言った……

パーティー会場の入り口に着くと、サービススタッフに引き止められ、招待状を持っていない彼と母親は中に案内された。

そして今、ついに再び愛南に会えた……

目の前の女性は相変わらず凛として美しく、その絶世の容姿は花のようで、思わず自分の頬を叩きたくなった！

以前はどうしてこんな愛南を退屈だと思い、外の女に心を奪われたのだろう？

まさに目が眩んでいたとしか言いようがない！

だから、母が愛南に駆け寄って心変わりを求めても止めなかった。自分も復縁したかったのだ！

しかし、張本朔のお母さんは愛南に触れることもできず、どこからともなく現れたボディーガードに捕まってしまった。

さらに、二人のボディーガードが愛南の前に立ち、自分を睨みつけた。

もし少しでも動けば、すぐに制圧されそうな雰囲気だった。

殺気を漂わせたこのようなボディーガードは、以前の張本朔には見向きもされない存在だった……しかし今は愛南を守っている……

張本朔は取り入るように笑って言った。「愛南、僕だよ。近づいて少し話をさせてくれないか？」

栗原愛南は冷たく笑うだけで、何も言わなかった。