人々が一斉に振り向くと、森川家の結納品が次々と運び込まれていくのが見えた。
十数人のボディーガードが、それぞれ箱を持って入ってきた。
その箱の中身が人々の前に披露された。高価な宝石や装飾品、あるいは京都では滅多に手に入らない店舗や不動産の権利書などだった。
どの結納品も見る者の目を釘付けにした。
名門貴族たちでさえ、森川家の豪勢な出費に感嘆せずにはいられなかった。
人々は羨望の眼差しで彼らを見つめ、首を伸ばして後ろを見た。この謎めいた森川氏の姿を一目見ようとしているようだった。
長い列をなす結納品の後ろには、スーツを着た男性が続いていた。
男は背が高く、爽やかなイケメンで、少し生意気な笑みを浮かべていた……
「あれが森川さんですか?とても凛々しいですね!」
「なかなかのルックスですね〜」