第398話

「私たちは……」

栗原愛南が話そうとした瞬間、栗原刚弘に遮られた。「ここでごちゃごちゃと言い訳するな。はっきり言え、このヒモ野郎と別れるのか別れないのか!」

栗原愛南は「……」

腕を組んで、もう説明する気も失せた。

道化師のように焦って足踏みする栗原刚弘をただ眺めていた。

森川北翔の方を振り返ると、彼は眉を上げて立ったまま、彼女に微笑んで言った。「ヒモ?」

栗原愛南は面倒くさそうに言った。「私の食事に住まいにと、ヒモ以外の何物でもないでしょ?」

森川北翔は笑いながらも、深い眼差しで彼女を見つめた。「ああ、確かにあなたの家に住んでる」

栗原愛南は「……」

付き合い始めてから、この男はいつも下ネタばかり。

咳払いをして、視線を逸らした。

栗原刚弘は怒鳴った。「愛南、もう言い訳することないだろう?目で愛を語り合ってるじゃないか。まさか関係を否定するつもりか?」