「私たちは……」
栗原愛南が話そうとした瞬間、栗原刚弘に遮られた。「ここでごちゃごちゃと言い訳するな。はっきり言え、このヒモ野郎と別れるのか別れないのか!」
栗原愛南は「……」
腕を組んで、もう説明する気も失せた。
道化師のように焦って足踏みする栗原刚弘をただ眺めていた。
森川北翔の方を振り返ると、彼は眉を上げて立ったまま、彼女に微笑んで言った。「ヒモ?」
栗原愛南は面倒くさそうに言った。「私の食事に住まいにと、ヒモ以外の何物でもないでしょ?」
森川北翔は笑いながらも、深い眼差しで彼女を見つめた。「ああ、確かにあなたの家に住んでる」
栗原愛南は「……」
付き合い始めてから、この男はいつも下ネタばかり。
咳払いをして、視線を逸らした。
栗原刚弘は怒鳴った。「愛南、もう言い訳することないだろう?目で愛を語り合ってるじゃないか。まさか関係を否定するつもりか?」