栗原愛南は部屋に入るなり、山田家の現在の二番手である彼を観察し始めた。
山田楚行は座布団の上に座っていた。とても若く見え、山田彩希ほどの娘がいるのだから、五十歳近くのはずなのに、三十代にしか見えなかった。
やはり運動は若さを保つのだ。
彼女が栗原刚弘と山田彩希と一緒に入室すると、山田楚行の視線が栗原刚弘と山田彩希を通り越して、彼女に注がれているのを感じた。
そして、山田楚行の目が少し輝いた!
本来、栗原刚弘が妹を記名弟子にしたいと言った時、山田楚行はあまり乗り気ではなかった。掌門ほど高貴ではないとはいえ、彼も一人しか弟子を取っていなかった。
明らかに弟子の数は片手で数えられるほどだった。
一人一人の弟子の枠は、とても重要なのだ。
しかし、栗原刚弘は最愛の大弟子であり、しかもこの妹は栗原叔父さんの娘だと聞いて...栗原叔父さんは昨夜も電話をしてきたのだ!