第462章

森川北翔は彼女を見つめた。「どうして見覚えがある?」

栗原愛南は顎に手を当てて、首を傾げた。「あの日、木村旭が木村知念に玉を渡したでしょう?これはそれに似ているような気がするわ」

そう言うと、彼女は急に顔を上げて森川北翔を見た。「木村知念は今年何歳?」

森川北翔は少し躊躇した。「それは、私が知るはずがない」

栗原愛南はすぐに言った。「年齢も似ているような気がするわ。もしかして...私、後で木村知念に聞いてみる!」

二人が話している間に、車は病院の門を通り過ぎていた。

森川北翔は栗原愛南を病院の入り口で降ろしてから、駐車場へ向かった。

栗原愛南は急いで階段を駆け上がった。

病室に入る前に、中から木村雅の声が聞こえてきた。「奈々、引っ張らないで。ただ頭を下げるだけだよ。君の就職活動の邪魔をさせるわけにはいかないんだ!」