第511章

能岛真人に守られている木村知念は、その言葉を聞いて目が赤くなり、感動して能岛真人を見つめた。

一生恋愛をしたことのない女の子は、純粋な心を持っていて、能岛真人と別れなければならないと思うと、木村知念の心は激しく痛んだ。

この瞬間、能岛真人が迷いなく自分を選んでくれたことを見て、さっき芽生えた諦めの気持ちに、木村知念は申し訳なさを感じた。

能岛真人が自分のために母親と対立しているのに、自分がどうして引き下がれるだろうか?

能岛のお母さんは、能岛真人がそう言うのを聞いて、彼を通り越して後ろの木村知念を見つめた。「木村知念さんでしょう?お嬢さん、息子を説得できないなら、あなたに話してみましょう!実は、あなたたちに別れてほしいのは、あなたたち二人のためなのよ。考えてみなさい、あなたと彼は全く違う世界の人間で、彼が会社を継いだ時、他の人が夫人外交をしている時に、あなたは何も手助けできない。彼はあなたを重荷に感じないかしら?」