第510章

木村旭は能岛のお母さんが入ってくるのを見て、彼女の後ろをついて行き、木村知念のところに何をしに行くのか見てみようと思った。

今の彼は全ての関心を木村知念に向けており、木村知念と接触する全ての人を知りたがっていた。

さっきの能岛真人は……

木村旭は以前からよく彼をいじめていて、二人は顔見知りだった。

能岛のお母さんは自分の母の従姉妹で、そのため両家の関係は悪くなかった。

しかし能岛家は自分の家とは家柄が比べものにならず、そのため能岛のお母さんは自分の母の前でいつも過度に取り入ろうとしていて、彼はそれが嫌いだった。

密かに能岛真人をいじめていた。

彼は二、三歩ついて行ったが、木村知念の家に近づいた時、足を止めた。

さっき木村知念に立ち去るように言われ、彼を見た時の怒った様子を思い出し、突然前に進む勇気が出なくなり、木村知念の家に入る勇気が出なかった。