医師は外に人が集まっているのを見て、マスクを外した。
木村知念と他の人々は緊張した面持ちで彼を見つめた。
医師はゆっくりと言った。「全力で救命処置を行い、患者さんは今のところ命の危険は脱しましたが、意識が戻るかどうかは、これからの数日次第です。」
この言葉に木村家の全員が一時的に安堵のため息をついた。
木村知念は涙を流し始めた。
医師の後ろで、木村旭はベッドに横たわったまま、ゆっくりと運び出された。彼は目を閉じたまま、まだ昏睡状態にあった。
一行はそのままベッドを取り囲んでICUに入り、しばらく外で待った後、木村奥様は木村知念を見つめて言った。「奈々、お兄さんは大丈夫よ、安心して。」
木村知念は頷いた。「うん、きっと大丈夫。」
先ほど手術室の外で、全員が木村旭を心配していたが、今やっと安心できた。