第545章

南條家……祖母……

母は海浜市でこれほど長い間隠れていたのに、能力があるのに、家族を中流程度の生活水準に保っていただけ……母のやり方は、姉の愛南と何が違うのだろう?

彼らは何かから逃げているようだ……

狐、ウサギ……

つまり、祖母の代から、南條家の人間だったの?

各世代が、この争いを経験しなければならないのだろうか?

敗者は幕を下ろす、祖母のように。

私は母の側について隠れていたけど、姉は南條家の人々に連れて行かれ、南條家の争いに巻き込まれた。

栗原愛南は南條家の秘密の一端に触れたような気がした。

もし狐の方からもっと情報を得られれば、南條家の真相が分かるかもしれない!

栗原愛南は考え込みながら、その写真を見続けた。

突然、彼女は違和感に気付き、急いで写真を手に取り、裏面を見た。