「命の恩人って何?」
栗原光雄は尋ねた。
橋本南は手を振って言った。「大したことじゃないわ。もう言わないけど、とにかくありがとう!」
橋本南は片手に服を持ち、もう片方の手で脚立を持って、階段を降りようとしたとき、栗原光雄はすぐに彼女から脚立を受け取った。「私が運んであげるよ!」
橋本南は少し躊躇した。「この脚立、重いのよ!」
栗原光雄は袖をまくり上げた。「君という女の子にも劣るってことか?」
橋本南は微笑んで、脚立を栗原光雄に渡した。
栗原光雄の手は明らかに沈んだ。
彼はこの脚立で倒れそうになったが、橋本南の意味深な視線を見て、咳払いをして強がった。「そんなに重くないよ」
「ふふ」
橋本南は雑巾とガラス拭きの道具、それに服を彼に渡し、脚立を受け取った。「私がやるわ!」