栗原光雄はもう我慢できなくなり、手を伸ばして荷物を受け取ろうとした。「もういいよ、僕が持つから。珊夏、いつから潔癖症になったの?知らなかったけど」
八木珊夏は「……栗原お兄さん、私のことをどれだけ知ってるの?全然気にかけてくれないじゃない!」
彼女がこのように責めたてると、栗原光雄は眉をひそめた。「そうかな?」
八木珊夏は怒ったふりをして「そうよ、私ずっと潔癖症だったの。ただあなたが普段から気が利かないから、気づかなかっただけ。覚えておいてね~あ、ウェディングドレスのお店がもうすぐよ!早く行きましょう!」
栗原光雄は彼女に引っ張られて前に進んだ。
橋本南は二人の様子を見て、腹立たしさが込み上げてきた。
彼女は大きな目をくるりと回し、一歩前に出て声をかけた。「八木さん、すみません!」