斎藤真司はこの言葉を聞いて、すぐに頷いた。「分かった」
彼がポケットに手を入れ、アルバムの中の写真を取り出そうとした時、まだ取り出す前に声が聞こえてきた。「何をしているの?」
斎藤真司と栗原愛南が振り返ると、南條真美が歩いてくるのが見えた。
彼女は警戒の表情を浮かべ、栗原愛南と斎藤真司を見つめていた。
斎藤真司は言った。「栗原お嬢様と少し話があるんだ」
南條真美は嘲笑うように言った。「どんな話なの?私という婚約者に聞かせられない話?」
斎藤真司は眉をひそめた。
栗原愛南も唇を固く結んだ。
彼女は今の状況が少し奇妙に感じた。南條真美と斎藤真司は婚約者同士なのに、自分がしようとしているのは彼らの婚約を破壊することだった。
まるで自分が大悪役になったみたいだ。
でも南條家から与えられた任務のことを考え、そして南條真美がしてきたことを思い出すと...栗原愛南の心の中のわずかな後ろめたさは完全に消え去った。