第560章

栗原愛南は頷いた。「はい」

彼女はベッドから起き上がり、ドアを開けると、雪音が外で行ったり来たりしているのが見えた。家政婦が尋ねていた。「お嬢様、お散歩に行きましょうか?奥様はまだお休みですし、旦那様も先ほど邪魔しないようにとおっしゃっていましたから」

雪音は小さな手を後ろで組んで、とても素直な様子で、甘い声で小さく言った。「しーっ、静かにして、ママを起こさないでね〜」

栗原愛南は彼女の姿を見て、心が溶けそうになった。

彼女はすぐにしゃがみ込んで、身を屈めて抱き上げた。

雪音は彼女の抱擁を感じると、すぐに小さな手で首に抱きついた。「ママ、起きたの!会いたかった!」

栗原愛南は思わず笑った。「昨日の夜に会ったばかりじゃない?」

昨日栗原家に帰ってきたとき、家政婦と雪音はまだ起きていて、家政婦は言った。「お嬢様がどうしてもあなたが帰ってくるまで寝ないと言って」