第609話

南條真美は一瞬驚いた表情を見せ、すぐに何かを悟ったように、顔色を急変させた。「あなたたちは私を騙していたのね!」

栗原愛南は冷笑した。「この芝居を打たなければ、あなたが狐と手を組んでいたなんて分からなかったわ!南條真美、あなたたちの計略の中の計略、よくもそこまで巧妙に仕組んだものね!」

南條真美は深く息を吸い、栗原愛南を睨みつけながら、紙のように青ざめた顔で言った。「ウサギ、まさかあなたがこんなに狡猾だとは思わなかったわ。私と狐の計画を見破るなんて!あなたって本当に厚かましいわ!」

栗原愛南はもう何も言わず、森川北翔と共に部屋を出た。

二人は斎藤家に向かい、南條真美の言葉を斎藤お爺さんに伝えた。斎藤お爺さんは心の中で急に驚き、すぐに二人を薬を保管している場所へ案内した。